
親しい友人と座間ハーモニーホールに行ってきました。ハーンは注目のバイオリニスト、その若さとエネルギッシュな演奏は、たびたびTVで見聞きしていましたが、今回の日本公演最終日を楽しみにしていました。
曲目はイザイの無伴奏から始まり、アイヴズ、ブラームスと続きます。休憩をはさんで、またイザイ、アイヴズ、そして私の好きなバルトークのルーマニア民族舞曲、アンコールはパガニーニのカンタービレとハンガリー舞曲5番(再演)でした。
ホールはクラシックと言うよりは多目的ホールと思われるので、どのように聞こえるかが心配でした。座席は2F後部のど真ん中、それが良かったせいなのか意外に大きな音色が楽しめました。さすがにトーンはイマイチでしたが、繊細な演奏部分も手に取るように聞こえ、伴奏ピアノ奏者の良くコントロールされた音量とタイミングに好感が持てました。

ハーンの生演奏を初めて聴いた感想ですが、実力を出し切るタイプではなく、相当な奥深い音楽性の中から必要なものを次々と出していくような感じを持ちました。それでいて実に溌剌(はつらつ)とした彼女固有の音色を持ち合わせています。私が今までに感銘を受けたバイオリニストと少し違う点は、ビブラートかなと思います。好みではないのですが、それがあるからこそ彼女の音楽が存在感溢れるものになっているように思いました。
絶妙のプログラム配分でしたが、超有名な曲よりはイザイ、アイブズの演奏が素晴らしかったように感じます。サイン会には100mを超えるほどの長蛇の列、座間まで足を伸ばした都内からのファンが多かったように思いました。