古今亭志ん輔さんの番組を毎週欠かさず聴いています。川村奈菜さんの演奏を初めて知ったのも、この番組でしたが、今回はいよいよこの番組の収録を見に (聴きに)行ってきました。渋谷のNHK 509スタジオには、160名ものファンが集まりました。私は前から二列目の中央の席に陣取りました。
志ん輔さんは、想像していた通りの楽しく、また心温まる人物でした。スタジオは大変広くて立派な部屋でした。フルオーケストラでも、ここで収録できるくらいの広さでした。私の性分なのでしょうね、壁の吸音材やいくつもあるマイクなどに目が移ってしまいます。20代くらいのディレクターとアシスタントの担当二人が、テキパキと進行していきます。約1.5時間ちょっとの時間が、アッと言う間に終わってしまいました。
<山岸ルツ子さんのピアノ>
最高に美しい方でした。黒いドレスがさらにそれを引き立たせます。フィレンツェ在住、ラザール・ベルマンに師事しているとのお話で、近くにはダンテの住んでいた家があり、街全てが絵画のようだと言うことでした。演奏曲目は、
・ラヴェル 水の戯れ
・リスト 巡礼の年 第2年「イタリア」から、ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
・ショパン 華麗な大円舞曲 ヘ長調 作品34-3
スリムな体から、力強いタッチで音が響き渡ります。演奏に入る前に、呼吸を整え、深く冥想に入り込む様子が良く分かりました。演奏中にも呼吸する音が良く聞こえます。曲の合い間には、志ん輔さんの質問に答えて、とても楽しいお話を聞くことができましたが、とても明るい方です。しかし、演奏になると、聴衆を引き込む演奏にどんどん入っていきます。技術的にも申し分のない演奏だったと思います。
<半田美和子さんのソプラノ>
最初は日本語の歌詞の曲でした。目の前で歌いだしたとき、ゾクゾクとしました。ピアノやバイオリンも素晴らしい・・、しかし、人間の声はこんなにもスゴイのか・・・。自分の高まる気持ちを抑えながら、必死で聴きました。薄いブルーの衣装をまとった半田さんは、小さいお子さんがいるとか。実は伴奏の古高さんがご主人だと言う紹介を、番組途中で自らお話されました。このような天の声を毎日聞けるご主人がうらやましいですね。さて、当日の演奏曲目は、以下の通りでした。
・中田喜直作曲、金子みすず作詞 「ほしとたんぽぽ」から11曲
・サティ アンピール劇場の歌姫
・プーランク 愛の小道
お二方の演奏を間近に見て聴いて、音楽とはやっぱり同じ空気を吸って、同じ瞬間を共有する聞き方が最高なのだ、またその距離が数メートルくらいになると、また違った感動が沸いてくる、こんな印象を今回も強く感じた一日でした。ちなみに、この収録の放送予定日は、12/7(金)だそうです。