相模大野のグリーンホールに家内と出かけました。ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場の「魔笛」です。このオペラは数ある作品でも最高のものと思っていますので、初めての「生」を楽しみにしていました。字幕に頼らずに凡その筋は分かりますので、美しいアリアを存分に楽しめると期待していました。
配役は特に有名な方がいなかったように思いますが、パミーナを歌ったソプラノが素晴らしかったと感じました。舞台は決して豪華ではありませんでしたが、衣装には凝っているように思いました。オーケストラも小編成でしたが、充分な音響を楽しめました。会社の先輩家族や、思いがけない幼なじみとバッタリ出会ったりして、やはりこれを好きな人が多いんだなと思います。
しかし、この作品は改めてその贅沢なまでのメロディに感動し、また奥に秘められた筋書きの内容に感心しました。どのアリアが流れてきても、グッとくるのですが、今回はその間合いのメロディにも素晴らしいと感じる部分がたくさんありました。また、タミーノとパパゲーノに代表される人物の対比、つまり「凡人は苦労しなくてもそれなりの人生の楽しみは得られるが、君子たるものは苦難を乗り越えて初めてそれを享受できる」と言う奥深い観念がバックグラウンドにある物語の素晴らしさも、今回は改めて考えることができました。
年末に相応しい、良い音楽を聞けたと思いました。