NHK音楽祭第3夜のブラームス、とても感動的な名演奏でした。
彼のVn演奏は何度かの放映で見たりしていたのですが、今回の演奏にはとてもショックを受けました。音楽祭はサラ・チャン、庄司紗矢香、ラクリン、諏訪内晶子の各ソリストが「魂のバイオリン」を奏でることになりますが、ただ一人の男性バイオリニストに相応しい、力のある演奏でした。
第2楽章の冒頭はラクリンの友人と言うオーボエの方が、それはまた素晴らしい演奏を聴かせました。ここでもホロッとくるような場面を味わったのでした。
指揮はマリス・ヤンソンス、そしてロイヤルコンセルトヘボウのオーケストラです。今年の6月にミョンフンで聴いた楽団になりますが、コンマスと第2バイオリン2列目右の女性は見覚えがありました。しかし「キリストの昇天」でチェロのトップを弾いていた年配の奏者は来日していなかったようです。ヤンソンスとラクリンの関係はCD録音以外にも、数多くの共演があるそうです。
演奏が終わったとき、司会の鎌倉千秋アナは声が出ないくらい感動していたように思います。私も実はそうでした。これはシャハム/アバドに負けないorその上を行くようなブラームスが聴けたと確信しました。会場で聞かれた方は、なおさらの事だったと思われます。残る第4夜もまた楽しみです。