
NHKホールに家内と出かけました。半年以上もこの日を待ちわび、やっとマイヤーのイゾルデに巡り合う事ができました。
指揮はもちろんバレンボイム、思わず「お久しぶり!」と言いたくなる気持ちで一杯でした。舞台は背中に羽をつけた天使を形どったような、大きな岩を回転させながら、全幕を通しました。このオペラは人間の内面を深く掘り下げて行くものですので、できるだけシンプルなものが良いと思うのですが、第1幕の船上場面としてはやや違和感あり・・・でも良くできたものでした。
トリスタン役のクリスティアン・フランツ、手持ちのタンホイザーあたりで見た覚えのある歌手ですが、素晴らしく良く伸びる声でした。歌い方はルネ・コロに似ています。歌唱力抜群の歌い手と感じました。
クルヴェナル役のロマン・トレケル、私は初めて知りましたが、ホールのロビーに数枚のCDが販売されているくらいの著名なバリトンみたいです。ブランゲーネ役のミシェル・デ・ヤングも良い味を出していました。脇役がしっかりしているのも凄いです。

ワルトラウト・マイヤーのイゾルデは、1995年バイロイトともう一つのバイエルン版(1998メータ)の録画を持っています。しかし生はやっぱり違いました。
第1幕前奏曲が流れ出すと、途端にその世界に引きこまれてしまいました。幕が終わるたびに熱い物がこみあげてきました。マイヤーの声と歌唱はイゾルデを歌いたい人がいなくなるくらいのものと感じます。声量も充分にありました。
それに加えてルネ・パーペのマルケ王、第2幕のアリアが何と素晴らしかったことか、、、彼の出演したオペラは手持ちが山ほどありますが、ザラストロや前回METのレポレルロ役とは全く違いました。心に染み渡る歌唱には、本当に感動しました。
マイヤーがラストシーンを朗々と歌い上げ、アッと言う間にこの超大作オペラが終わりました。カーテンコールが延々と続きます。バレンボイムがオケ全員を舞台に連れてきました。オーケストラの演奏と彼の指揮は、他のどのオペラよりも美しく感動的でした。これからもチャンスがあれば、海外に出かけてでも続きを聴きたくなるような、最高のオペラを楽しんだ一日でした。