帰国前日のベルリンで、憧れのベルリンフィルを聴いてきました。ちょうどラトル指揮、バレンボイムのピアノと言う、最高のプログラムにあたりました。
チケットは3/18の発売を待ちかねて、インターネットで購入しました。やっと繋がった時には、2F席後方しかありませんでしたが、ホール全体を見渡せる良いところでした。
※定刻になってもなかなかスタートしません。ラトルがやってきて、ハープ奏者がまだなので少し待ってほしいと・・・、5-6分後に始まりましたが、ラトルが忘れた指揮棒をホールの人が届けると言うパーフォマンス、、、やぁー、ユーモアたっぷりでした。曲がだいぶ進んだ頃、コッソリとハープ奏者が登場しました。一曲目はKurt Weill作曲のThe Seven Deadly Sinsと言う曲で初めて聞くものでしたが、アンジェリカ・キルヒシュラーガーが歌うと聞いて、とても楽しみにしていました。楽器編成も変わっていて、バンジョーやギター、ドラムセットなどが登場します。バックに男声4人のコーラスがつきます。彼女の歌は理知的で、また安定した絶妙の歌声でした。手持ちのTV録画にはホフマン物語などがありますが、その美貌と容姿に釘付けになったのを思い出します。ホールはサントリーホールの二まわりくらい大きいのですが、音はとても柔らかく感じ、満席の観客から暖かい声援が聞こえそうな、良い雰囲気でした。参考までに出演者は、Angelika Kirchschlager (Mezzo-Soprano), William Burden (Tenor), Timothy Robinson (Tenor), Tommi Hakala (Baritone), Reinhard Hagen (Bass)の方たちでした。
休憩時間は30分もないくらいでしたが、B1Fのロビーでワインやビールを傾けながら、たくさんの人が歓談していました。チケットチェックは各フロア客席の入り口のみなので、外に飲み物を持って休んでいる方たちも数多く見られました。
さて、2曲目はブラームスPf協奏曲Nr.2をバレンボイムが弾きます。実は彼のブラームスを聞いた事が無かったのですが、意外にテンポの揺れを大きめにとり、音も仕草も力があるように感じました。ラトルの指揮はそれに対して絶妙に合わせてきます。そのオーケストラの演奏に、むしろうっとりするようなところも沢山ありました。凄いと思いました。
満場の拍手に呼び出されて、オケのいない舞台でアンコールが演奏されました。ショパンの「遺作」だったと思います。バレンボイムのショパンはなおさら聴いた事が無く、うーん、何か思うところがあるのだろうかと感じてしまいました。観客はリラックスして、舞台に腰掛けながら暖かく見守ります。音楽の世界に生まれて育ったドイツの観客は、このような気持ちで楽しんでいるんだ、と、とても嬉しく感動的な演奏会でした。