
マーラーの4番はとても好きな曲ですが、どの演奏?と考えると、このバーンスタイン、マティス、ウィーンフィルを選んでしまいます。

バーンスタインのマーラーは優しさとスケールの大きさがあって、私も大変感動することが多いのですが、この4番はシャンシャンと鳴る鈴の音が"冬の旅愁"のようなものを感じさせ、全楽章を通じたひとつのテーマがとても印象深い曲と思います。

特に第4楽章のソプラノは、天使の声を思わせるように、また別世界に引き込んでくれます。森麻季さん、バーバラ・ボニー、他にもたくさんの映像が手持ちにありますが、マティスの歌声を初めて聴いたときには言葉にならない感動を覚えました。

この演奏は1972年5月、ウィーン楽友協会での収録と言うことで、コンサートマスターの席には、今は亡きヘッツェルさんが座っていました。一連の映像はCS放送から録画されたものですが、今でも市販DVDとして店頭に並んでいるそうです。

CDではガッティの演奏を良く聞きました。テンポは速めで現代的な演奏ですが、これも大変印象に残る名演と思います。ルート・ツィーザクのソプラノは、マティス以上に天使を思わせる美しい声です。どちらも捨てがたい名演と思います。