
今月のCS放送からのピックアップになりますが、1950年ころにハリウッドのスタジオで収録された映画を見ました。もうひとつはご本人がこの映画を見ながらの、晩年のインタビュー番組です。

この映画からのクリップは、「バイオリンの芸術」などいくつかの市販DVDでも使われているものですが、通しで見ると、またその素晴らしさが分かります。特にこの「マタイ受難曲」からのアリアは声とVnのパートが絶妙にマッチしていて、聞き応えがありました。

ユーラ・ビールと言うコントラルトとの共演でしたが、この方はとても美しい人で、また歌い方がとても自然で好感が持てました。メニューインご本人も、この収録のみの共演だったと仰っていました。

演奏をひとつひとつモニターで確認しながら、ご本人が批評を付けて行きます。技術的な話も多かったのですが、収録の際の様子やエピソード、カメラの位置など、面白い話がたくさん出てきました。しかし、当時としてはそのテクニックが凄かったものと想像されます。

私がメニューインを遠くからですが見たのは、シェーンブルの屋外でたまたまリハーサルをしていた指揮者の姿でした。亡くなる1-2年前だったと思います。
彼のドキュメンタリはいくつかの録画を持っていますが、このイギリスの子供たちを指導している間に亡くなってしまったと言う、"Menuhin's Children"が最も印象深い映像です。彼の演奏そのものは決して私の好みではないのですが、その人柄と音楽に対する造詣は、大いに尊敬すべきものと思います。