スイス・ルガーノで収録された画像が、BS2で何度か放映されました。大変貴重な映像だと思います。
ベートーベンが2曲、それにシューマンとブラームスです。画像・音ともにとてもきれいで、表情をアップで映し出しています。大のカメラ嫌いと紹介されていましたが、これは特別なものなのでしょうね。
演奏が終って拍手に答える姿は、これで良いのかと思うくらいツッケンドンですが、演奏そのものは最高だと思いました。私は特に最高のピアニストとまで考えている訳ではありませんが、その演奏と生き様には興味を覚えます。
手持ちには「映像」LP 2枚組み(ドビュッシー)が残っていますが、極めつけの演奏だと思います。またアルゲリッチの先生でもあった(そんなに親切な教え方はしなかったようですが)とか、大賀ホールのピアノが実はミケランジェリのサイン入りで、日本に持ってきて演奏したあとにSONYが買い取ったなどのエピソードもありました。
晩年の音楽と生活は葛藤の連続で、周囲との関係もうまく行かなかったようです。彼が亡くなった時にそのあたりの話を読んだりしたのですが、胸が詰まされる思いがしました。録音はそれほど残っていないみたいなのですが、実況録音を集めたCD 7枚組みがあるので、時折それを聴いたりしています。