日曜日の教育TVで放映されたものを、じっくりと聴きました。なんと、メト来日「ドン・ジョバンニ」翌日の公演でした。
トッパン・ホールでの収録は、とても雰囲気あふれるものでした。彼女が過去に録音・収録されたものの中でも、珠玉の演奏ではないでしょうか。2003年来日公演に比べて、今回はまさに幸せいっぱいの歌声を聴かせてもらったような気がします。
手持ちのCDにはバッハの美しいアリアがありますが、今回はまずモーツァルトで始まりました。ホールいっぱいに響き渡る声です。やはりコンサートアリアが彼女に最もふさわしいように思いました。続くシューマンの歌曲は、思わず2回も繰り返して聴いてしまいました。「女の愛と生涯」素晴らしい曲です。もらい泣きしてしまいそうな感動を覚えました。ピアノ伴奏がまた良かったです。音色、タッチ、雰囲気など、2003年より数段良かったです。
面持ちがどことなくマイヤーに似てきた感じもしますが、ラトル夫人として、実力共に今が最高の時期なのかもしれませんね。得意のドボルサーク、そしてウォルフと続きましたが、いずれも心に染みる歌声でした。メトでは少し目立たなかったように感じた存在が、今回はそれを全て覆すような快心のリサイタル映像を楽しみました。