最近の録画から、印象に残ったコンサートを紹介します。ボリショイ劇場で開かれた、慈善コンサートの記録が、CSで放映されました。
出演者はそうそうたる顔ぶれで、ヘルゴンツィ、クラウス、プライなどの共演が実現したものです。特にクラウスの映像は手持ちも少なく、あの張り詰めた美声を堪能しました。プライと同じ舞台に立つのも、珍しいのではないでしょうか。
クラウスはNHKが招請したイタリア歌劇団にも加わっていた1960年代のテノールですが、私がオペラを好きになったころには亡くなってしまい、とても残念に思っています。三大テノール以上の歌手が存在したんだ、との意を強く持ちました。
一方のプライですが、初めてTVで観た「こうもり」のアイゼンシュタイン役を演じていたのが、とても印象に残っています。
シューベルトなどの歌曲ではフィッシャー・ディスカウに適いませんが、今回のタンホイザー「夕星の歌」は、本当に聞き惚れてしまいました。実に味のある歌い手なんだと、改めてその偉大さに気づいたような気持ちがしました。素晴らしい映像を楽しめて、満足の一日でした。