
10/23に民放で放映された映画なのですが、これは本当に楽しめました。オランダの天才画家フェルメールの名画を題材にしたトレーシー・シュバリエの小説の映画化、だそうです。

主演のスカーレット・ヨハンソン、質素で素朴な役柄なのですが、時折そのズキンを取ったときの表情は別人のように思いました。このような心に響く風景や演出、そして彼女の演技を融合させた映画を制作したスタッフには脱帽させられます。

圧巻はやはりこのシーンではないでしょうか。フェルメールが妻のピアスを持ち出して、モデルの彼女の耳につける、痛さをこらえながらも歯を食いしばって耐えるグリート・・・バックを流れる音楽を担当したのがアレクサンドル・デプラ、これも映画の冒頭から印象的な美しいメロディで、絵画的な雰囲気を醸し出します。

使用人でありながら絵心のある彼女は、絵の具の調合をまかされます。フェルメールの妻とは対照的な、しっとりとしたグリートと、それを取り巻くオランダの街並みなど、まるで絵を観ているような映像の空間をじっくりと味わえた作品でした。
そう言えばルーブルにも一枚、フェルメールの小さな絵画がありました。私はまだ訪れた事のないオランダですが、いつかはこの絵を実物として味わいたいものだと思います。