6/20の東京文化会館に家内とでかけました。あいにくとレバインが怪我で欠場でしたが、お目当てのネトレプコとコジェナーを楽しみにしていました。またルネ・パーペがレポレルロを演じるとどうなるか、これも大きな楽しみでした。
一言で感想を書くとすると、ネトレプコの圧倒的な歌唱力をまざまざと感じさせる公演だったように思います。写真のコジェナーはメゾソプラノのためか、チェルリーナ役としては目立たない存在になってしまったように思います。あれだけの歌唱力とレパートリーを持っているので、また別の機会でじっくりと聞きたいと思いました。
ジョバンニ役は若きアーウィン・シュロット、素晴らしい声と役柄への傾倒には驚きました。しかし、レバインに代わって指揮をとったアンドリュー・デイビスとの息がいまひとつ、これも実力のひとつでしょうか。これに対してパーペとMETの呼吸はピッタリでした。さすが大ベテラン、そして柄にも無い(?)ような茶目っ気にはビックリしました。今回の公演の目玉のひとつかな、と思います。
さてネトレプコですが、確かに本人が言うようにこのオペラではドンナ・アンナしかない、、と思いました。声はもちろん、表情から役造り、衣装、心に染み渡る感情の表現など、まさにこれを歌うために生まれてきたのかと思うくらいでした。特に終幕近くの有名なアリアは、あぁーコレだと思ったらオペラグラスのピントをいくら合わせなおしても駄目でした。しばらく歌に聞きほれて、改めてその表情を見ようと、気を取り直したくらいでした。
今回のオペラは舞台も立派だったし、それぞれの歌手の熱演と、オケの実力/雰囲気共に文句なしだったと思います。願わくば、もうすこしPAのレベルを下げるかPA不用のホールで聴きたいと感じました。昨年のサントリーホールで聴いたネトレプコのリサイタル、生であれほどの声を出せる歌手が今回も揃っているのですから、きっとまた次のチャンスにそれを味わえるのを待ちたいと思っています。本場のMETも行きたいなぁー・・・