
NHK BS2で放映された、メータ指揮フィレンツェ5月音楽祭(2003)を録画して楽しみました。主役のオテロは昨年末にソフィアで来日したウラジミール・ガルージン、その2年半前の映像と言うことになります。
これまでに観てきた「オテロ」としては、新国立の公演などもありましたが、やはりスカラ座が印象に残っています。
オテロ、デズデモナ、ヤーゴ、指揮者の組み合わせで挙げていきますと、
・市販DVD; ドミンゴ、フリットリ、ヌッチ、ムーティ
・スカラ座公演(NHKホール); フォービス、ロスト、ヌッチ、ムーティ
・ソフィア国立(文化会館); ガルージン、ロスト、アウグスティーニ、クローチ
・BS放送; ガルージン、フリットリ、グエルフィ、メータ
このような順になります。何かしら関連があるような組み合わせみたいですが、私自身の好みから出てきているのかもしれませんね。

今回のガルージンはかなり若々しく、また顔を黒く塗っていなかったせいもあり、やや「軽いな」と思いました。ソフィアの時の「渋み」はやはり、この2年半の間に熟成されたものでしょうか。しかし、よく伸びた声は素晴らしいものでした。オテロを歌える歌手がどんどん引退していく中で、ますますその存在感を高めて行っているように思います。
フリットリも予想以上に良かったと思いました。情感のこもった「柳の歌」には本当に感激しました。そしてメータの指揮、これは素晴らしかったです。BS2としては画像と音がとてもきれいだったせいがあるかもしれませんが、演奏自体もその美しさ、力強さに満ち溢れていたと思います。次回のオテロはどんな組み合わせで楽しめるか、それを考えるだけでもうれしい気持ちになりますね。