たまたま手にして読んだご本人の著書がきっかけで、映像も観なくてはと思いました。
中国山西省に取り残された2,600名の日本軍、終戦後の4年間も上官の命令で戦わされてきた(中国国民軍として)。
新たな戦死者が約600名。帰国後は逃亡兵として扱われ恩給なし、補償なし。
奥村さんは現地まで赴き、軍残留が上官命令であったことの証拠資料を探して回った。当時虐殺された中国の人々の関係者も訪ねて話を聞いた。謝罪の気持ちとは裏腹に、日本兵だったころの考え方が脳裏に浮かび、自分の中にはまだ戦争が終わっていないことも実感した。
映画が完成したのは2006年、その5年後に奥村さんは80歳で亡くなりました。身体中に弾丸の破片が残ったままの姿でした。
訴訟は最高裁まで行きましたが却下。ポツダム宣言後に日本軍が参戦していたことを認める訳には行かない、と言う政治的な判断があったのでしょう。日本の司法は、政府から独立できていない証拠のひとつです。