寺垣武さんをモデルにした本「アナログを蘇らせた男」を読みました。アナログプレーヤへの徹底した技術と、オーディオに関する考え方に共鳴し、スピーカーを購入しました(プレーヤは高くて手が出せず)。寺垣邸でその音に驚嘆する来客は、必ずこのスピーカーも併せて聴いているはずと思ったからです。
しかし我が家に到着した当初の音はひどいものでした。LPレコードがSPレコードかと思うくらいでした。再生可能領域は40-12,000Hzと表示されるものの、F特が公開されていません。ましてや歪率とか、平板振動スペクトラムなども分かりません。
まずスーパーツィーターT90Aを取り付けました。そして、サブウーファーと専用アンプ自作を行い、やや高めですが200Hz以下を送り込むようにしました。
しかしまだ満足できる音になりません。音のどこかが共鳴し、キンキンした音なのです。ピアノや弦はそこそこ聴けるのですが、JAZZやヴォーカルなど全く駄目。初めてF特測定してみたら案の定、大事な1kHzに鋭いピークがありました。20dBもの落差があります。
メーカーの話では、しばらくすると音が変わります、、だそうですが待ちきれません。イコライザー製作に取り掛かることにしました。回路はシンプル、山根式デバイダ12dB/Octを2個、それぞれ400Hzと2kHzのカットオフにして、スペクトル合成しました(写真は片チャンネルまでの完成時)。
出来上がったイコライザの特性です。コンデンサにはスチコンを使ったので、音質的にも優れたものができたと思います。
メインとしているTA2020アンプの下段に配置しました。
再生される音は、これぞ真の寺垣スピーカーと思えるものでした。音場感、楽器の分離も素晴らしいです。JAZZも全く問題ありません。アルト・サックスの音色にはシビレルほどです。
普通のコーンスピーカーに満足できなくなった方に、ぜひお薦めしたいです。