
彼女の舞台を見たのは、新国立の「ラ・バヤデール」でした。
友人に誘われて初めて訪れた新国立が、このバレエの上演でした。作品自身にドラマ性があり、またダンサーには最も重労働と言われるらしいのですが、斜面をゆっくりと降りてきながら整列する美しい場面があります。ゼレンスキーと組んだパ・ドゥ・ドゥーは、両者とも素晴らしい技を披露してくれました。
実はこんな有名なペアーとも知らずに鑑賞したのですが、後にサンクトペテルブルグ建都300周年番組が放映されたとき、ゲルギエフ指揮の下で「海賊」を同じペアーで踊るのを見ました。またNHK BSで放映されたシリーズである「キーロフバレエのスターたち」にも登場し、その生い立ちから厳しいレッスン、そして現在の姿に認められる間のドキュメンタリとインタビューを見ることができました。
彼女の演技には類まれなる表現力と感情投入があるように思います。また、あの長い足もそうですが、素晴らしい容姿にも恵まれ、大きな演技を見せてくれます。実は半年前のレニングラード国立バレエに来日して、ゼレンスキーと共に「白鳥の湖」そしてルジマトフと共に「海賊」を踊る予定になっていました。私は後者のチケットを買ったのですが、運悪くプーチンの命によるとかで、来日がキャンセルされました。こんなところに政治を持ち込むな、と憤りを感じたものですが、ボリショイに移籍した彼女がそれだけ期待されていることを示す事実として、次回の来日に期待しようと思い直しました。