
新歌舞伎座オープン後、人混みも少し落ち着いたかなと、家内と出かけました。藤十郎、仁左衛門、玉三郎など錚々たる出演者が揃う、第二部にしました。
一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
〈御殿〉
乳人政岡: 藤十郎、沖の井: 時 蔵、松島: 扇 雀、栄御前: 秀太郎、八汐: 梅 玉
〈床下〉
仁木弾正: 幸四郎、荒獅子男之助: 吉右衛門
藤十郎ならではと云われる政岡役、自分の息子が毒見であるじを救い、それを隠そうとした弾正の妹に目の前で惨殺された。お家のために平然を装い、皆が去った後に初めて母として、自身の心をさらけ出す、、そのあたりの内面表現が見事でした。
ラストシーンはネズミに化けた弾正(幸四郎)が姿を表し、一言も声を出さず花道を去ってゆく、、実は今回の席が花道のすぐ右側、それも前から3列目だったので、芸の深さを圧倒的な迫力で楽しむことができました。こんな経験、もう無いかもしれないと思うほどでした。

二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 仁左衛門
吉田屋女房おきさ 秀太郎
阿波の大尽 秀 調
太鼓持豊作 千之助
番頭清七 桂 三
吉田屋喜左衛門 彌十郎
扇屋夕霧 玉三郎
こちらは仁左衛門の至極の芸を、終始楽しめた演目でした。ラスト30分前くらいにやっと現れた玉三郎、、、やっぱり別格です。花が咲きました。こんなに美しいものを見れて感激・・・もう二度と出ない逸材だと思いました。仁左衛門との息のあったやり取りも絶品ですね。
ここ10年以上はオペラばかり観て来ましたが、こんなに素晴らしい役者と芸術があったんだと、日本人として誇り高く感じた一日でした。