
本日も友人と文化会館に行ってきました。同じ演目をまたぁー?と家内に呆れられるのは分かっていましたが、これだけは譲れない?!気持ちがありました。森 麻季さんのコンサートは何度か聴きに行きましたが、彼女の演技を見たい、もっと長い時間を楽しみたいと思っていました。
ブルガリアで絶賛を受けたリゴレットだそうですが、まさに素晴らしいものでした。スポットライトを浴びる彼女の姿は、今まで持っていた印象をさらに塗り替えてくれたように感じます。彼女の歌は正確で、美しく、自信に満ちたものだったと思います。演技の方は、さらに経験がものを言うところがあるかもしれません。彼女らしさ、可愛らしさを超えて初めて、次のステップに踏み込むのだなと想像しています。

また昨日はロストに熱中してしまった感じもありましたが、本日は舞台、演奏、スタッフ含めた全てがしっくりとした良い出来栄えだったように思います。その一つはマントヴァ公爵を演じたボイコ・ツヴェターノフの美声ではないでしょうか。昨日のカルードフは第一人者でブルガリアでも森さんと共演したテノールですが、それ以上に張りのある声を聞かせてくれました。

そしてリゴレット役も本日はマウロ・アウグスティーニに替わり、渋さも持ち合わせた味わいのある声と演技を見せてくれました。そして何と指揮者も交代したのです。本日はソフィア国立歌劇場総監督のボリスラフ・イワノフが振りました。昨日よりも終演時刻が延びるくらいのじっくりとしたテンポと、美しい管弦楽の響きを聞かせてくれました。同じ演目を2日間観ても、こんなに印象が変わるものかとビックリしたほどです。
今回のリゴレットを聴きながら、音楽による「至福」の時間とはこのようなものだなと思いました。大変贅沢でもあり、貴重な経験をさせてもらったと思います。