
NHKで10年くらい前に放映された「ルチア」はまさに衝撃的でしたが、今回初めて生で彼女の歌声を聴けることになりました。またこれがグルベローヴァの
来日ラストになると言われる公演です。
「アンナ・ボレーナ」全2幕
ガエターノ・ドニゼッティ作曲
エヴェリーノ・ピド指揮 エリック・ジェノヴェーゼ演出
アンナ・ボレーナ:エディタ・グルベローヴァ

事前に私の録画ライブラリから、テオドッシュウ主演ペルガモ劇場の映像を見て予習しました。その歌声にもいたく感動したのですが、何世代も上になるグルベローヴァの声は、さらに若々しく張りのあるものでした。独特の「グルベローヴァ節」も楽しみましたし、クライマックスの声には凄さを感じます。インタビュー記事では、本拠地でも2015年には引退とか、、、。

他の歌手たちの技量も相当なもので、本場の香りが漂います。特に印象に残った歌い手としては、
エンリーコ8世:ルカ・ピサローニ
響きのある素晴らしい低音で、すぐにでもフィガロを歌っちゃいそうな声でした。

パーシー卿:シャルヴァ・ムケリア
顔に似合わずリリックなテノールです。マイク無しでフローレスと対決させても、負けないくらいと思いました。

スメトン:エリザベス・クールマン
小姓の役ですが、声も顔も美しい、、、本当に歌のうまい人でした。
最後になりますが、音響に関する印象を一言。
今回の席はエコノミー券を入手したため、5F最上階でした。しかし、ゼンパーの最上階とは大違い。PAまるだしで、そこらの学芸会かNHK紅白歌合戦の音を聴いているように思え、それが気になって仕方がありませんでした。文化会館は以前にもまして、PAを強化したようです。
音響工学の専門家に一言、「音を作るのは止めて、ホールを作って下さい」。一度、パリのバスティーユを見に行ってほしい。グルベローヴァにマイクを持たせるなんて、技術者の恥です。
※下記パンフに写っている少女は、娘のエリザベスを表しているそうです