1個 1200円のIC(TA-2020トライパス社)で組み上げたデジタルアンプを使い始めて、もう2年が過ぎようとしています。半年後にマルチアンプとして組替えて、スーパースワン+ツィータをドライブしていました。
(写真下部 中央にあるのがアンプ)
スピーカーをネッシーに変更した時、アナログアンプの傑作と聴き比べましたが、やはりこのデジタルアンプがベストと思いました。音は一言で表現すると、「何枚も皮の剥けた音」かな?
モノラル2WAYとしたことで、スピーカーケーブルの長さを極小化できるメリットも大きかったのではないかと思います。ただし、電源コードには要注意です。動作点はDクラス、つまり音の強弱に応じた電流がACラインに流れます。アナログアンプ、それもAクラスなら原理的に起こらないことです。これに気がついてから、電源を引っ張るのに、定格32Aのビニルキャプタイアを使うようにしました。
以下、デジタルアンプを自作するときに考えた事柄の中から、アンプに内蔵されたSW電源にまつわる話を書いて置きますので、興味のある方は読んでください。
私のデジタルアンプは、最初はアナログ電源でした(3/22頃)。しかし歪みが気になり、安定化の必要を感じました。そして、外付けMOから外してあった SW電源に、すぐ取り替えたのを思い出します。SW電源の動作について、私の認識を書いて見ます。参考書はひとつも見ていないので、間違いもあるかと思いますが、そのつもりで・・・。
まず、AC 100Vをいきなり整流します。平滑コンデンサには、100V入力専用の電源なら200V耐圧、220Vにも対応したユニバーサル型では、400Vのものが使われていると思います。この直流を原資にして、数100kHzの(コントロールされた)交流を発生させます。それをトランスで5V or 12Vまで落とし、整流します。商用電源より周波数が高いので、小さなトランスで済むのが特徴です。
整流後の例えば12Vを検出して、前段にフィードバックをかけ、安定化させます。この回路の時定数が数kHzと言われていますので、これ以下の領域では充分低い内部抵抗が得られます(NF量によって決まる)。この12Vの出力には、まだリプル成分が含まれますので、平滑回路を通します。周波数が高いので、小さなコンデンサとチョークコイルで済みます。ここで使われている10uH程度のチョークコイルの線径が何mmあるかで、流せる電流値を推定できます。 PC用のSW電源では、2~3mmもの太い線が使われていました(5V 15Aの回路)。
私が最初に使ったSW電源は、緑電子のMOについていたものですが、5Vには7uHの小さなチョークが入っていましたが、12Vの回路にはこれが無く、3 端子レギュレータらしきものが使われていました。放熱器もありませんでしたので、定格の500mAすら流せない仕様だったと思います。
TA2020のアイドリング電流は60mAですので、無信号の場合は良いのですが、大きな音を出すときは問題です。現在のデジタルアンプ 1号機用電源は、12Vのチョークコイルとして、0.8mmくらいの線が使われているので、1~2Aくらいは行けそうです。
数kHz以上の周波数については内部抵抗が上昇しますので、数10uF以上のコンデンサをパラに入れる必要があります。このコンデンサの種類によって、音がコロコロ変わるのです。OSコン、タンタルの併用と、容量比率を調整して、トロイダル・空芯それぞれのタイプにマッチした設定にしてあります。