
いまは手元にないスピーカーにまつわるお話です(写真はスターリング)。
私の場合は、これぞと言うスピーカーがFIXできた後は、アンプの鳴り方の違いを自作・調整しながら聴き込むことが多いです。新しい方式や、時には自分のアイデアが良い結果を生んだ時には、鬼の首を取ったが如く大喜びしたりしていました。傍から見れば、何をやってんだろ、みたいなとられ方もされていたんでしょうね。
しかし、一応の評価が終って満足の段階になると、研ぎ澄まされた感覚もどこかへ行ってしまって、音楽のソースをあれこれ求めるようになります。この周期が少しでも長くなれば、結果的に良い環境を手に入れたことではないかと思います。
友人から借りた本で思い出すのは、現在はタンノイGRFのオーナーの方が、イギリスで生活していたとき、英国人の友人にオートグラフを買いたいと相談したら、「君の部屋はどれくらいの広さか」と聞かれたので、30畳だと答えたら、「そんな部屋で鳴らしきれるものではない」と言われたとか・・・。結局、 GRFを持ち帰って使っていると言う記事がありました。
私はタンノイでも、GRFとエジンバラは不出来な製品と思っていますし、アーデン、ヨークの時代は知りません。カンタベリーとスターリングが気に入りましたが、オートグラフをテレオンで試聴した覚えがないのです。絶対、買えないものという頭があったのだと思います。今でも買えないのは同じなので、興味がありません(^^)
カンタベリーとスターリングは、ちょうどタンノイがTW(テクノ・ウェーブ)型のツイーター採用、アルニコ-IIIの超強力マグネット採用などで、来るべきデジタル時代に対応をしようとした時期の新しい製品です。ですから決して真空管アンプと相性が良いと言われた時代のタンノイではないのです。
一言で「タンノイ」と評されても、それぞれの音作りが違いますので、やはり自分の耳で確かめない限り、何とも言えないのが実態です。※しかしながら、カンタベリー15をアキュフェーズA-50で聴いたときの驚きは、いまでも鮮明に覚えているくらいショックな経験でした。これがあれば、100倍くらい音楽を楽しめるなと思ったものでした。