
だいぶ前のNHKでの放映で、手持ちの録画リストにもあったのですが、今回はクラシカ・ジャパンの映像を楽しみました。
数ある第九の演奏では、やはりフルトヴェングラーとバイロイトのものが卓越しているのかもしれませんが、こちらの演奏も格別なものと思います。ウィーンフィルとバーンスタインの良き関係は、各種エピソードがあるようです。この映像のラストで盛り上がる、観客の熱狂振りがそれを物語っていると思います。ソリストには、私の十八番のルネ・コロが登場しています。あのクライバー「薔薇の騎士」のギネス・ジョーンズもいます。クルト・モルが何と言っても若い・・・、しかもあの渋い声が素晴らしい。
バーンスタインの解説は、指揮ぶり以上に意味深い内容があります。シラーの詩を題材にしたこの曲が生まれた後も、
人間たちは何と無駄・残酷な戦争を繰り返してきたのだろうか。どうしてたくさんの民族や国に分かれたままで、それがますます広がっていくのだろうか。国境があり、パスポートが必要な人類世界は、シラーやそれ以前のギリシャ哲学などが目指したものと、なぜこんなにも食い違ってしまっているのか・・・。
彼の一言は、演奏の力強さと裏腹に、心惹かれるものが数多く感じ取れるものだと思います。