家内とNHKホールに行きました。オペラに初めて興味を持ち始めたきっかけがこのマイスター・ジンガーでしたが、前回と同じバイエルン国立歌劇場の公演を、9年ぶりに改めて日本で楽しむことができると言うのも、なかなか感慨深いものがあるように思いました。
ちょうど新国立でも同じ演目があったようで、その演出を担当したのがヴァイクルだそうです。やぁー、ご本人が登場するならば凄い事になったと思いますが、バイエルンはやっぱり本場そのものの、とてつもない公演を持ってきてくれたと思いました。第2幕、3幕はウルウル状態で、特に騎士ザイフェルトの張りのある美声は凄かったです。ザックスも貫禄がありました。サルミネンの歌う場がかなり省かれていたのが残念でしたが、第1幕の声だけ聴いても、やはりただ者ではありませんでした。タンホイザーにも出たのな?
ベックメッサー役のシュルテは、坂上二郎さんorスターンに似ているようにも見えたのですが、演技でもなかなかの活躍ぶりでした。(※予習で楽しんだメトでは、トーマス・アレンが演じていますが、これがまた適役なのでした。大物のアレンもそこでは可愛らしく見えました。)ワーグナー唯一の喜歌劇とも言われる所以ですが、どちらも素晴らしいベックメッサーだったと思います。
舞台はシンプルで、やぁー・・また新しい演出か・・・最初はそう思ったのですが、なかなかどうして良く考えられたものだったように思います。特に後方のアパート形式の建物は最初は壁だけかと思っていたら、次々に窓が開いたりして、第2幕クライマックスの大騒動では火の手が上がるなど、迫力もある舞台でした。演出については朝日新聞で横浜公演を紹介した片山杜秀さんのコラムのような解釈もあるのですが、私はそれを気にするよりも、それを遥かに超越した歌唱・演技・舞台を楽しむ方を考えたいと思います。
メータはメッキリ白髪が増えましたね。往年のバイエルンを愛した指揮者として、サヴァリッシュやクライバーが良く知られています。実は帰りがけに出口でもらった資料がなかなか面白くて、この歌劇場の知られざるエピソードなどが満載でした。その中から写真を2枚添付してみます。映っているのが誰なのか、分かりますでしょうか? ⇒答えは「
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