楽しみにしていた放映が昨日BS-hiでありました。NHKには本当に感謝です。
舞台は2005年ザルツブルグ音楽祭、収録は8/7でした。
彼女のリサイタルを昨年4月のサントリーホールで聴いて、それまでの認識を一新したこともあり、評判の椿姫がこんなに早く映像で見れるとは思ってもいませんでした。ミュンヘン、ロンドンのブログ友達から教えていただいていた公演そのままを楽しむことができました。
この音楽祭に相応しい(?)斬新な演出の元、なにもない舞台に悲劇が展開されて行きます。大きな時計は残された時間を示すとか・・・、あとはソファーがいくつか置かれているだけでした。共演としてアルフレード役のビヤゾン、ジェルモン役のハンプソン、いずれも素晴らしい声を聞かせてくれました。ビヤゾンは評判通り、その熱のこもった歌と演技は抜群でした。ハンプソンも予想以上に上手い歌声でした。もう少し真剣さもほしかったような・・・・いずれにしてもこの3人の存在が、なにもない舞台での中心役となって聴衆を惹きこんだものと思いました。
さてネトレプコですが、その声も歌も演技も全てが最高だったように思います。ウィーン国立の椿姫とは全く異なる演出を、ここまで演じこなす才能をまざまざと感じました。この音楽祭の公演は、彼女なしでは成り立たないと思いました。
確かにオーソドックスな舞台と演出でも、泣けてくるような感動を表現していたのですが、この舞台では激しく力のある声が一際、その効果を上げていたように思いました。カーテンコールに入ると、客席は総立ちになりました。ところが舞台裏(ソデの様子がカメラで映し出された)の彼女は実にアッケラカンとしているのです。ヤッタ!と言わんばかりの姿は本当に可愛らしく、また演技と気持ちを切り替える早さにもビックリしました。さきほどまでのヴィオレッタは、この人だったのかな?と思うくらいでしたが、それだけに演技に集中する時の彼女の凄さを、まざまざと感じた次第です。