友人の計らいでオペラシティに行って来ました。いつもの席よりやや後方、右寄りでしたが、まるで教会で聴くピアノのような音響に聞こえる位置でした。本日の曲目は、下記のとおり。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第26番 変ホ長調 Op.81a「告別」
ブラームス:16のワルツ Op.39
ショパン:バラード 第3番 変イ長調 Op.47、 第4番 ヘ短調 Op.52
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
彼の存在はN響アワーなどでよく見ていましたが、繊細・ダイナミックで情感あふれるアーティストと感じました。父がドイツ人、母が日本人のロンドン生まれ、名前の「~pf」からドイツ系を連想していた通りです。さすがアンコールの時は全て日本語で曲名紹介があり、とても上手でした。
演奏は極めて高いテクニックに基づいていて、演奏家としての特徴も良く表現されていたと思います。いやそれ以上に作曲家の意図や思いを強く感じさせるような演奏だったと感じました。こもりがちの音色はホールのせいでしょうか、あるいはYAMAHAを使ったためでしょうか、、しかし締まった低音と息を呑むような指さばきからは、圧倒的な迫力と存在感が感じられました。
クライスレリアーナの出だしはとても早くて、アッという間に通り過ぎたように感じたのが少し残念でしたが、力のある演奏でした。アンコールの「熱情」第3楽章もしかり、しかしアンコール2曲目のチャイコは情感に溢れ、誰もがうっとりと思いにふけるような良い選曲でした。素晴らしかった・・・
音楽はやはり生で楽しむべきです。TV放映があるかどうか分かりませんが、このようにいろいろと感じ、考えさせる時間を持てたのは、まさに同じ空気を吸っていた演奏家がいたからだと思いました。